PlayStationの次世代機であるPS5、2020年末での発売予定がついに発表されましたね。
そんなPS5ですが、多くのユーザーから期待されているのが、過去のハードとの互換性。
PS4では、PS~PS3までのゲームはプレイできませんでしたが、PS5ではPS4との互換性について、公式から「実現に向けて設計している」との発表がありました。
個人的にはPS~PS3のソフトの中にも思い入れのある作品が多数あるので、ぜひPS5にて再び遊べるようになることを期待したいところです。
そこで、PS5にて再びあの感動を味わえることとなるよう期待を込めて、筆者の心に深く残るPS・PS2ソフトの名作5選を紹介させていただきたいと思います。
おすすめソフトその① 『moon』(PS:1997年発売)
「もう、勇者しない」
同年に、不朽の名作であるファイナルファンタジーシリーズの中でも、最も人気の高いといわれるFF7が発売された中、この大胆不敵ともいえるキャッチコピーを引っ提げてアスキーより発売された伝説のアンチRPG。それがこの「moon」です。
あらすじ
プレイしていたRPGの中の世界に突如吸い込まれてしまった主人公。
まるで流行りの異世界転生ファンタジーのような始まりですが、そこで主人公が目の当たりにしたのは、先ほどまで自分がコントローラーで動かしていた「勇者」が、他人の家から勝手にアイテムを持ち去り、罪のないモンスターを次々に殺していくという残酷な現実でした。
主人公は、勇者の凶行を止めるため、モンスターを救い、街の人々の悩みを解決しながら、このムーンワールドを冒険することとなります。
主人公は「ラブ」を求めて世界を旅する
ゲームのジャンルは「リミックスRPGアドベンチャー」とされています。
主人公は、広大なムーンワールドを歩きまわり、モンスターの魂を集め、様々な謎や問題を解き明かしていくことになるのですが、その際にもらえるのが「ラブ」。
「ラブ」は主人公の体力の源であり、「ラブ」を集めれば集めるほど、主人公はムーンワールドを長時間歩き回れるようになっていきます。
ムーンワールドには曜日や時間の概念が設定されており、朝になれば起きて仕事に出かけたり、決まった曜日の夜には酒場にのみに行くなど、この世界で暮らす人々一人一人がそれぞれの暮らしを持っています。
その中で、主人公は「ラブ」を手に入れるため、様々なヒントを探し、人々やモンスターを助けながら旅していきます。
普段何気なくプレイしているRPGを、全く別の視点から、全く別の価値観を持って眺める斬新な設定には、大きな衝撃を受けたプレイヤーも少なくないのではないでしょうか。
こちらのゲームは、長らく他のハードにてリメイク等一切されておらず、ネット上でプレミアが付き超高額で取引されるほど「隠れた名作」として注目されていました。
ですが2019年に、22年の年月を経て、Nintendo Switch用ダウンロードタイトルとして待望の配信が開始されておりますので、未プレイの方はPS5への移植を待たずとも、是非プレイしてみてください。
誰もが予想しえない衝撃のエンディングは必見です!!
おすすめソフトその② 『SIREN』(PS2:2003年発売)
「どうあがいても、絶望」
そのTVCMが「怖すぎる」と苦情が相次いだため放送中止になるという、ホラーゲームとしては最大ともいえる話題性と共にソニーより発売された「SIREN(サイレン)」。
インパクト絶大なキャッチコピーに、近年のゲームとしては珍しいほどの高難度なゲーム内容も相まって、すぐさま話題沸騰となったこの作品は、その人気から続編の発売はもちろん、漫画化、実写映画化もなされており、まさに「名作」と呼ぶにふさわしい和製ホラーゲームです。
あらすじ
「一人の村人による、全住民の虐殺」というショッキングな都市伝説に興味を持ち、羽生蛇村を訪れた須田恭也。そこで彼は、怪しげな儀式を目にします。
直後、突然鳴り響いたサイレンの音と共に、村に次々と巻き起こる異変。村の周りに広がる赤い海。そこから帰ってくる人ならざる者たち。突如脳裏をよぎる「誰か」の視界。
彼を含む村に居合わせたすべての人々を巻き込み、終わらない3日間が始まります。
複数人の視点から、異変の謎に迫る群像劇
このゲームでは、プレイヤーは複数人の主人公を操作して、村からの脱出を試みることとなります。
登場人物は多種多様で、女子大生から村の医師、おじいさんや小学生まで、実に個性的です。そんなキャラクターたちの運命が、3日間の異変の中で複雑に絡み合うシナリオはまさに圧巻。
プレイヤーの何気ない選択が、彼らの運命を大きく左右することになります。
筆者は、海外ドラマでは「24」や「HEROES」、小説では「指輪物語」、ライトノベルでは「バッカーノ!」や「デュラララ!!」など、群像劇と名のつくものがとにかく大好きです。
「SIREN」に登場する主人公たちの中にも、きっとあなたが感情移入することのできるキャラクターが一人または複数人、いることと思います。
見つかったなら、おわり
「SIREN」の最大の特徴は、「主人公が弱い」ということです。
登場する複数の主人公は、そのいずれもが、アメリカの特殊部隊で経験を積んだ警官でもなければ、特殊なカメラで敵を除霊できる霊感少女でもありません。
圧倒的な一般人である彼らは、敵が現れれば身を潜め、見つからないように慎重に行動する必要があります。
暗闇の中で敵の息遣いを聞きながら、物音を立てないように慎重に行動するスリルは、他のホラーゲームではなかなか味わうことのできないものではないでしょうか。
「SIREN」には、映画の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に見られるようなメディアミックス展開が見られ、主人公の一人、須田恭弥の手にする学生手帳のメモからは、現実に存在するインターネット掲示板のURLを確認できます。
そこでは実際に、須田恭弥らしき人物「SDK」の書き込みが見られる等、まるでこの物語が現実と繋がっているかのような錯覚を覚えることさえあります。
また、その重厚なシナリオには謎が多く、シナリオを何度もプレイし、手に入れたアーカイブに目を通し、更には公式ガイドブックを読むことでようやく解明する謎も数多く存在します。
そうするうちに、気づけばあなたも、「SIREN」の巻き起こす異変の虜になっているはずです・・・。
おすすめソフトその③ 『大神』(PS2:2006年発売)
「この世の命が、蘇る」
水墨画を思わせる独特のグラフィックと、和楽器の奏でるどこか懐かしいサウンド、そして日本の伝統的な神話や昔話をモチーフとしたシナリオや登場人物たちは、国内外を問わず、筆者を含む多くのゲームファンの心を鷲掴みにしました。
カプコンより発売された2006年には、文化庁メディア芸術祭にてエンターテインメント部門大賞を受賞、国外では世界最大級のゲーム関連ウェブサイトIGNにて2006年のゲームオブザイヤーを獲得。
また、翌年の2007年には日本ゲーム大賞優秀賞を獲得するなど、数々の賞を受賞している名作です。
あらすじ
かつて英雄イザナギと、神の化身である白野威(シラヌイ)によって、怪物ヤマタノオロチは封印されました。
しかし封印から百年、封印は解かれ、ヤマタノオロチが永い眠りから目覚めてしまいます。
ナカツクニの平和を守るため、精霊であるサクヤ姫は伝説の白野威、アマテラスを復活させましたが、アマテラスは百年前の戦いで、その力のほとんどを失っていました。
災厄を再び打ち払うため、相棒イッスンと共に旅に出たアマテラスは、少しずつ力を取り戻しながら、世界の生命を救っていくこととなります。
大神のみが扱える力「筆しらべ」
「大神」の最大の特徴ともいえるのが、この全く独自のシステム「筆しらべ」です。
主人公は、この力を使うことで空中に自在に筆を滑らせることができます。
さらには十二支をモチーフにした「筆神」たちの力を借り、描いた模様によって様々な効果を得ることができるのです。
枯れ木に花を咲かせたり、薪に火をつけたり、更には空に太陽を描いて夜を昼に変えることすら可能です。
プレイヤーはこの力を駆使して、アドベンチャーパートにて謎を解いていくことになるのですが、このシステムの面白いところは、戦闘中でも使えるというところ。
筆の力により敵を一刀両断したり、炎で真っ黒にしたり、時には敵の弱点を突きながら戦うバトルシステムは今までになく、新しい爽快感を味わえること請け合いです。
筆者がこのゲームを初プレイした際、驚愕したのはその圧倒的なボリューム感。
ネタバレを避けるため詳しくは書けませんが、「えっ、ここからこんなに世界が広がるの!?」と驚かされたあの感覚は、「ドラゴンクエストⅥ」にて最初の魔王ムドーを倒し、世界にはあと4人の魔王と大魔王が存在すると知らされた時に匹敵する衝撃でした。
桃太郎や浦島太郎、弁慶や牛若丸など、誰もがよく知るキャラクターたちが織り成す情趣あふれるストーリーは、その美麗な映像や音楽と共に、必ずあなたの心に残るものになるはずです。
なお、こちらの作品はWii版が発売されているほか、PS3、PS4、PC、Xbox One、Nintendo SwitchにてHDリマスター版である「大神~絶景版~」が発売されているので、未プレイの方は是非、お好きな機種でプレイしてみてください。
おすすめソフトその④ 『ヴァルキリープロファイル』(PS:1999年発売)
「それは、人と神の物語」
1999年にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売されたこちらのゲーム。
北欧神話をモチーフとした重厚なシナリオに、美しいパッケージデザインが話題を呼んだこの作品は、「スターオーシャン」シリーズと共にトライエースの代表作といえる名作です。
その革新的なバトルシステムと、豪華声優陣の吹き込むキャラクターボイスの数々は、当時のゲーム業界に大きな衝撃を与えました。
あらすじ
天界アスガルドにて、アース神族の王オーディンは、敵対関係にあるヴァン神族との最終決戦が近いことを予言によって知ります。
決戦に備えるため、オーディンは戦女神であるヴァルキリーに、人間界ミッドガルドへ赴き、戦で死んでしまった人間の英雄たちの魂を集めてくるよう指示しました。
ヴァルキリーは、死に瀕した者の声が聞こえるという自分の能力を使い、人間界で魂を集めるためミッドガルドへ降り立ちます。
勇敢なる人間の魂、女神に宿りて戦地に立つ
この作品の特徴は、主人公であるヴァルキリーが集める英雄たちは、みな人間としての最期を迎え、仲間になるというところです。
ヴァルキリーは死に瀕した英雄の声を聴き、その地に赴いて英雄の最期の姿を見届け、時には最期の願いを手助けし、彼らの魂を仲間とするのですが、その彼らの死に際の姿というのがもう・・・。
切ないやら悲しいやらで、筆者は新しい仲間を一人迎えるたび、感情移入してしまい毎回半泣きになりながらコントローラーを握っていました。
人間界の英雄である彼らの最期の勇姿は必見です。
また、重要なシナリオではフルボイスが導入されておりますので、豪華声優陣の演じる、魅力的なキャラクター達が織り成すシナリオを、是非体験してみてください。
爽快感あふれる斬新なバトルシステム
バトルパートでは、パーティーキャラクター達をそれぞれに割り振ったボタンを押すことで操作することになるのですが、ここで重要なのがコンボ。
コンボによってゲージを溜めていくことで、登場キャラクター一人一人が持つ、強力な「必殺技」を使うことができるようになります。
決め台詞と共に、迫力のグラフィックで放つそれぞれの必殺技は、一度みると病みつきになってしまうほど爽快感たっぷりです。
トライエース開発ということで、エニックスとのタッグという点では「スターオーシャン」シリーズの方が先に発売されているのですが、初プレイ当時エニックスのRPGといえばやはりドラゴンクエストの印象が強かった筆者は、この作品にかなりの衝撃を受けました。
圧倒的に美麗なキャラクターデザイン、斬新なバトルシステム、秀逸なBGMと、そのどれもが今でも強く心に残っています。
こちらのゲームも、PSP版、スマホアプリ版が発売されておりますので、未プレイの方は是非チェックしてみてください(なお、ダンジョン攻略にアクション要素が強いため、筆者はスマホ版でのプレイはあまりおすすめしません)。
また、このゲームでは途中のプレイヤーの行動によって、エンディングが分岐するのですが、新のエンディングと呼ばれるAエンディングに到達するのは初見ではほぼ不可能です。
ゲーム中に特別なヒントがあるわけでもなく、よほどいろいろなことを試さない限りは自力でのAエンディング到達は難しいのですが、唯一、上記のタイトルパッケージにヒントがあります。
パッケージをよく見ると書かれている「Should Deny The Divine Destiny of The Destinies.」の文字。
意味は「神の運命を否定しろ」です。
おすすめソフトその⑤『ICO』(PS2:2001年発売)
「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」
2001年にソニーより発売されたこちらのゲーム「ICO(イコ)」は、その舞台となる古城のグラフィックの美しさや、木々のざわめきや鳥のさえずり等の環境音以外のBGMをほぼ排除した音響、そしてレベルやHP等の“ゲームらしい”要素を一切取り除いたゲームシステムが作り出す世界観が話題を呼び、多くのファンを生む作品となりました。
また、こちらのゲームは日本国外でより絶賛され、アメリカで「ゲームのアカデミー賞」と呼ばれるAIAS Achievement Awardsにて、2001年度、最多となる8部門にノミネート、アートディレクション賞とキャラクター・ストーリー賞の2部門で受賞しています。
あらすじ
生まれつき頭に角を持つ少年イコは、村のおきてにより、生贄として霧の城にささげられてしまいます。
ところが、突如起きた地震により拘束が解け、城内でひとり自由の身となったイコ。
城からの脱出を目指し、移動を開始した彼が出合ったのは、囚われた一人の少女でした。
言葉の通じない彼女に突然襲い掛かる黒い影。
イコはとっさに影を振り払うと、彼女の手を引き、謎と仕掛けに満ちた城から二人で逃げ出すべく、歩き出すのでした。
圧倒的な世界観で描かれるゲームの舞台「霧の城」
イコが少女と冒険する霧の城は、海に囲まれた自然あふれる古城なのですが、ムービーではなく、プレイヤーが操作する画面の中で、考えつくされたカメラワークによって描かれる城の美しさはまさに圧巻の一言。
大海を望む大きな橋。暖かな光差し込む小部屋。緑あふれる中庭にたたずむ風車塔。
その芸術的なまでの絵画調のグラフィックは、川のせせらぎや風の通り過ぎる音と共にプレイヤーの心を澄まし、癒してくれます。
謎を解き、ストーリーを進める傍ら、ふとこの古城の美しさの中で一息つく時間が、筆者はたまらなく好きでした。
基本的には音楽のない状態で探索することの多いこの作品ですが、要所で流れるBGMがとても秀逸です。
中でもテーマソングであるICO-You Were There-は作曲者である大島ミチルが、今作の世界観に合う歌声の持ち主を捜してロンドンまで赴き、教会の聖歌隊で歌う少年に白羽の矢を立てたのだそう。
切ないメロディに響く、透き通った少年の歌声は、すべてのプレイヤーの心を魅了する、ゲーム界屈指の名曲となっています。
また、こちらのゲームはあの宮部みゆきにより「ICO-霧の城-」として小説化もなされています。
ゲームの世界観を踏襲しつつ、イメージを膨らませたこちらの小説は、「ICO」をプレイしたことのある人なら誰しもが懐かしく感じる風景や、イコと少女の霧の城での冒険中の新しい一コマを垣間見ることができ、もう一度この作品の世界に浸ることができる素晴らしい作品です。
ゲームはクリアしたけど、小説は読んだことがない!という方が居られましたら、ぜひ一度手に取り、もう一度あの霧の城へ向かってみてはいかがでしょうか?
なお、こちらのゲームもPS3でのHDリマスター版が発売されておりますので、未プレイの方はチェックしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?20年の時を経て、再びこれらのゲームと出会えることを期待して、2020年末のPS5発売を心待ちにするのもよし、タンスの隅からPSやPS2を取り出して、再び電源ボタンを押してみるのもまたいいですね。
ひとつでも気になった作品や、懐かしい作品があった方は、是非プレイしてみてくださいね!
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